隠語のアナウンス

学校で、聞き覚えのないアナウンスが流れた。


「1年5組に大きな荷物が届いています。

担当の方は職員室まで受け取りに来てください…繰り返します…」


この学校に1年5組なんて存在しない。


隠語だ
げ場はないことが、一瞬でわかった。

廊下から、普段聞いたこともない騒音が響いた。



ざわざわ…ガタガタ…。



小さな声も聞こえる。


「ナイフを持ってる不審者が来たらしい……」


「〇〇ちゃんが襲われたって……」

耳に入るたび、心臓が張り裂けそうになる。



私は慌ててトイレに駆け込んだ。

ドアを閉めた瞬間、息が荒くなり、体が震える。



手のひらは汗でびっしょり。

足がガタガタと震えて、床にへばりつくようだった。

遠くからこちらに近づく足音が聞こえる。

その足音は私がいるトイレの前で止まった…



ガシャ……ガシャ……



ドアを一つずつ確かめるような、無言の音。



近づくたび、鼓動が耳をつんざくように響いた。

息を止め、壁にもたれる。



もう、逃げられない――



恐怖で体が硬直する。時間がゆっくり流れるように感じた。

そして、ドアに手が触れる。



冷たい金属のような感触。



ゆっくり、ゆっくりと開かれる瞬間――


「なんだ、警察かと思ってよ……」

その瞬間、これまでの全てが逆転した。

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